ごあいさつ
私たちは今、とてつもない社会変動の波に巻き込まれ、情報が氾濫しすぎて何が正しいのかよくわからない状況になっています。
その中で、私達は各国の同国人の集まりを見るにつけ、「日本にはなぜこういった会がないのだろうか?」と常々思っていました。こういった同国人の集まりというのは「その国の国民であるということを前提としてその国の文化を共有できる仲間」ということでありまして、当然のようにそこにはその民族なり国民なりのものが大小の差はあれ、常識として存在しています。
つまり、母国にいると大して意識もしなかったものが、外へ出て初めて「あぁ、自分はこういう存在だったのだ」ということを自覚し、自分の故国はどうであるのかという事を考えていくひとつのきっかけになると思いますし、民族意識の昂揚というものを外国ではかり、なおかつその国でどう生きていくかということを考えることが多くの人の課題であると考えます。
私たち、日系文化振興会は、こういった現状を鑑み、「日本の文化、日本の心」を海外の在留邦人や日系二世、三世に伝えていくことを眼目としています。
また、日本の文化が向こうで誤解されているものもあると聞き及びます。
そういったものを正し、また、向こうの文化が日本では誤解されて伝わっているものも多いとおもいますので、そういった文化間の相互交流や、その中で生まれてくる日本理解というものを大切にしたいと思っています。
さらに、アジア諸国には日本人のなくしてしまった「日本の心」というものが色濃く残っている国があります。そういった国との交流を深め、我々日本人が失ってしまったものをもう一度取り戻す機会にしたいとも考えています。